秘伝の密

我が家の夏の楽しみといえばカブトムシを捕ることです。

先祖代々といえばちょっと大げさですが、我が家ではカブトムシを捕る時に使う蜜が秘伝の蜜です。

特殊な配合になっています。

これがどのような配合になっているのかはもちろん言えませんが、ちょっと凝っているんです。

ただ、一度私の父が作ったカブトムシ用の蜜が配合を間違えてしまったせいで大変なことになったんです。

カブトムシが好む蜜は、他の昆虫にも好まれるのである程度ゴキブリやハチなどが集まるのは仕方がないのですが、父の作った蜜はあまりにも甘すぎたからなのかアリ、ハチが大量に集まり過ぎてしまったんです。

どのくらいカブトムシが集まっているかとドキドキしながら、蜜を塗った木を朝みに行くと、蜜を塗ったところに黒いものが…というより蜜を塗ったところ全体が真っ黒に…

大量のアリの塊、そしてスズメバチがもぞもぞ動いていました。

もうトラウマです。

あのおぞましい光景は忘れることができません。